7 Days to End with You
基本情報
- タイトル:7 Days to End with You
- プラットフォーム:Steam / Switch
- プレイ時間:約3時間
- クリア状況:
ひとことレビュー
「言葉」を知って「貴方」を知る、暗号解読アドベンチャー
どんなゲームか
主人公が目を覚ますと、そこには見知らぬ女性がいる。でも彼女が何を言っているのか、主人公は理解することができなかった。
彼女と話したり、家の中を探索しながら「言葉」の意味を推測し、秘められた「意味」を見つけ出す謎解き×ノベル。
好きポイント/惜しポイント
- 「理解できない言葉を解読する」、ジャンル的には謎解きになるだろうが、さだめられたひとつの筋道があるわけではなく、自ら想像し意味を見つけ出し理解するという余地があるので、新鮮な体験だった。言葉が分かるということの嬉しさ、分かるがゆえに理解できる悲しみ・・・
- とはいえ、どうも理解を深めていくとやはり一つの可能性に収束するので、「貴方の解釈で完成する」という言葉から想像していたほどの、解釈の自由度はなかった。とはいえ完全に自由な解釈が許されれば漠然とした物語にしかならないので、これはこれで良いと考えている。
- いろんな可能性を試したくなる構造にはなってると思うが、個人的には操作面(特に周回まわり)がやや不親切に感じられて、入り込みきれなかった部分がある。操作面がもっとストレスフリーなら、解釈すること、想像することにもっと集中できただろうなという意味で惜しさがある。
感想・総評
「あのゲームどこまでやった?」とだれかに聞かれたら、大体、どこまでのクエストをクリアしたとか、ここまでストーリーを読んだとか、そういう風に答えることになる。しかしこのゲームにおける「進行」の指標は、一味違う。それはどれくらい言葉をわかるようになったのか、どう解釈したのか、という、プレイヤーの内側に存在する指標である。だからこのゲームには明確な終わりがない。自分の中で、これはこういう物語だったのだ、と解釈を定めたとき、あるいは、理解できないとあきらめたとき、それが終わりとなるゲームなのだ。
知らない部屋の中で目が覚める。何も思い出せず、知らない人が知らない言葉でしゃべりかけてくる。
最初は彼女が何を言っているのか、ここはどこなのかなぜこうなっているのか、何もわからないからいろいろな想像をしてみるしかない。
この人はいい人なのかな、悪い人なのかな? 自分は監禁されているのかな、それとも守られているのかな?
警戒心を持ちながら、彼女に話しかけてみる。
この時点では言葉が全く分からないのだが、それでも、その表情や話しぶりから、どうやら敵意はない、なんだか喜ばしく、笑いかけてくれているようだとわかるのだ。
これが「解釈」である。
あれはなに?これはなに?と指さしては少しずつ言葉を教えてもらい、メモに残し、この言葉はどんな時に言っていたっけと思い出しながら、少しずつ少しずつ意味をつかんでいく。
根気強くそれを繰り返していくと、少しずつ「わかる」ことが増えていく。
でも、そうして見えてくるのは、ある一つの悲しい運命だった。
わかりあえることの喜び/苦しみ
人の言葉がわかり、意思の疎通ができるということ。
普段当たり前すぎてなんとも感じないことだが、私がこのゲームをしていて一番うれしかったのがそれだった。
何を言っているかわかる。この人が何を感じていて、何を思っているのか、わかる。最初はなにひとつわからなかったのに。誰かをわかることってこんなにうれしいことなんだなって。理解することをあきらめなくてよかったと、そう思える瞬間である。
けれど、そうしてわかるようになったことが、あまりにも悲しいものだから、うれしいのに苦しい。
ならば知らなければよかったということなのだろうか。
何を言っているか、この人がなにをしてきたのか。何もしらなければ、優しく笑いかけてくれるその人と、平和に過ごして、何も知らずにまた眠りについただろう。そして一度知ってしまえば、もう二度と、そんな日々に戻ることはできない。
言葉を話し、わかりあうということの不可逆性--それは人間に定められた悲しい定めなのか?
このゲームをプレイして、そんなことを考えていた。
救いのない運命、それを知ってしまうことの救いのなさ。
でも――そこにある唯一の救いは、やはりわかること、にあるように思う。
どんなに救いのない運命にあっても、言葉を聞いて、理解してくれる人がいるということ。
その「わかる」ということが、どれだけの救いか・・・。
以上、7 Days to End with You の感想でした。