短歌

短歌集01

shiorai

半熟の黄身が滴るテーブルに 君がいなくてくずれてる朝

あの窓を割ったのだって君のため全部壊すよだから笑って

隕石のように降るからクレーター 君の形にへこんでく僕

ねぇ呼んで 僕のことなど忘れてもいいけどだけど忘れられない

もう君に届かないとは知ってても瓶に詰めては波に託した

流星雨

流星雨 とおい昔の後悔が穿って生んだみずうみの青

これだけの傷を背中にどうやって前に進めばいいのだろうか

誰だって死にたくないから死にたいと口にしていたはずの地獄だ

なにもかも投げ捨てて青 ひまわりの浮かぶ電子の海で会いたい

毎日はひとつひとつの生きもので眠りにつけば死んでいく今日

アライグマ

ラーメンに入れる「かやく」の由来とか何度聞いても覚えられない

熱々のスープを混ぜたスプーンをただ舌に載せ味わう温度

しあわせはわたしのものじゃないからと諦めて飲む珈琲の味

淡々と飢えていくのがいやだから深夜零時に食パンを焼く

ぐちゃぐちゃのショートケーキをすくいとる川面に映る泣いているぼく

つないで

夢見てた藍色の雲 雷光がぼくらを照らし貫く夜を

また次に会えるか分からないからさ 愛してるって言っときたくて

きみのこと知らないでいた三月はつめたいつめたい季節だったよ

邪魔してよ普通に歩ける道なんか君といたってつまらないから

呼ぶ声も届かないほど深くまで沈まぬように繋いでいてね

林檎

未来とかきみに貰ったはずのものぼくひとりでは抱えきれずに

眠れないままに巡った針が刺す瞼の裏に明けの明星

過ぎ去れば忘れられると思ってたぼくの頭は意地悪なんだ

ひややかにアルミニウムが反射する林檎の重さ包み込む白

世界とか連なる山とか海とかを全部壊してしまいたかった

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