詩 ポロニウム 正直言って。 何も話したくない。 何もしたくないし、どこにも行きたくない。 だから黙っている。留まろうとする。 時計の針がいつも同じ速度で廻るなら、僕はそれを耐えるだけだ。 カーテンを締め切って、毛布に潜り込んで、時計の文字盤は虚ろだ。時間... 2024.02.26 詩
詩 【鐘の音】 また、目を閉じた。緩やかに死にたくて。 午前二時。 眠るのが怖い。時計塔が鐘をうつ。 時は私たちからあらゆるものを奪っていくから。柔らかな陽だまりや、繋いだ手の温度。笑み。言葉。親しみ。 影は地平線の彼方へ遠く伸びていく。黄昏。 去ってゆく... 2023.10.14 詩