かつての絶望、幻の場所[#240331]

日記

2024年3月31日

 楽しんで生きていこうとするとき、他者を踏みにじることになるのだろうか。幸せになるとき、誰かを愛するとき、そこに暴力が伴うのだろうか。

 これ以上に、何になるというんだろう。 

 暗闇を抜けつつあるのか、と私は橙色の光の中で思う。暖かい湯気に満ちた風呂場。真冬の凍るような冷たさはもうそこにない。

 あの暗闇の向こうには、どん底しかないと思っていた。光の見えないその先には、未来、希望、平和や安寧など何もないと思っていた。深く暗い闇の底で死を見つめていた。

 だがあのときに恐れていた「未来」とは、今この瞬間のことだったか? いや、違う。私が見ていたのは絶望だった。今この瞬間にたどり着くことを、過去の自分は知ることはない。なら何を恐れていたか。知り得ないものを恐れていた、存在しないものを……もっといえば、あのときの自分が恐れたのは未来という幻、それを見せていたのは、「現在」と「過去」だった。 

「未来」に苦しめられる、ということは嘘かもしれない、と私は思った。あるのはただ、思考と記憶だけだ。 

 存在と時間について、わずかに思いを馳せる。眠気が頭に春霞のようにたちこめている。どこにもたどり着くことはなく、ただ、瞼を閉じる。

  • 母と駅へ出掛けた。電鉄のスタンプを押した。
  • 公園に行き、あんバターのサンドイッチを食べた。鳩たちが寄ってくる、わけてあげない。
  • 本屋に行った。駅前の本屋には読みたくなる本が沢山ある。
  • ガチャガチャを回した。
  • 誕生日のプレゼントを貰った。誕生日はまだ先だけれど。また暫く会わないので。
  • あの空が晴れることはとても珍しい。きっと、今日は人生の中でも唯一無二の日だったのだろう。

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