shiorai

小説

地下回廊

回廊が、長く暗い回廊が続いている。 地下室への道をぼくは歩いていた。かび臭い通路、生き物の這う気配、滴る雨漏れ、外は嵐だ。 蜘蛛を踏みつけた。回廊のどこかで、壁を引っ掻くような音がしていた。 昨日、夢を見た。暗い地の底で、血まみれになった壁...

ポロニウム

正直言って。 何も話したくない。 何もしたくないし、どこにも行きたくない。 だから黙っている。留まろうとする。 時計の針がいつも同じ速度で廻るなら、僕はそれを耐えるだけだ。 カーテンを締め切って、毛布に潜り込んで、時計の文字盤は虚ろだ。時間...
未分類

再構成

生きている限りは、何回でも、壊れるたびに、再構成しないといけないと思う。 そのための名前だから。
日記

2023/11/21〚勉強と現実〛

憂鬱だ。  私は一体、何年も前の事にいつまでとらわれるのだろう。でもそれを手放したらもう私は私ではない。それぐらい私は今目の前のことから隔てられた場所にいる。  目の前のこと。  最近、哲学の勉強に嵌った。  本当はゼミの発表の準備とか、し...
エッセイ

相談室にて③〈自分の人生って何なんだ〉

カウンセラーの先生曰く、自分の人生を生きなよ、ということになるらしい。  うん。でも自分の人生というのは、一体なんだろう。自分の人生は、結局、自分だけのものではない。切り離せない過去、数多のしがらみ、多くは「関係」によるものだとおもわれるが...
日記

2023/11/20〚時雨の季節〛

時雨とは、冬の初めに、晴れていたのに急に降りだし、かと思えばやむ雨のことをさす、冬の季語だ。  今日はそんな季節を感じる一日であった。  午前中に、相談室へ行った。その話は別のところで。  学生食堂は、とにかく昼時は混んで、嫌なので、ピーク...
エッセイ

人生は物語ではない

例えば未来のような何かを夢見て、それがついえた後の苦痛にまみれた日々を私は知っていた。でもそういうやるせない日々に、少しだけ心が穏やかになる瞬間はたしかにあった。 私はそれを、踏みにじるようなことは、できないのだと思う。道端に咲いている小さ...
エッセイ

相談室にて②〈カウンセラーはどれくらい覚えてくれるのか・忘れるのか〉

カウンセラーはどれくらい覚えている?  カウンセラーの先生とお話させていただくようになって、これはネックのような気がしてきた。  カウンセラーという人は、一日に何人もの人の話を聞いていることと思う。そうなってくると、一人一人の話を詳細に記憶...
エッセイ

相談室にて①〈カウンセラーと話して考えたこと〉

私はこれまで、誰かに何かを、本格的に「相談」するということをしたことがなかった。 大学3年生の9月の終わりごろ。夏休みに心を打ち砕かれた私は、始めて「相談室」とでもいうべき場所に足を踏み入れることにした。  大学の、健康管理に関する施設。そ...
日記

2023/11/15〚ゆるやか短歌〛

短歌はけっこう、ゆるやかに詠んでる。  よんだ短歌は、まずはこのサイトのHOMEにメモしている。そこは五行なので、五行埋まると、短歌のまとめページに、タイトルをつけて改めて載せる。そして次に新しい短歌を詠むたび、HOMEの短歌を右から上書き...