小説 地下回廊 回廊が、長く暗い回廊が続いている。 地下室への道をぼくは歩いていた。かび臭い通路、生き物の這う気配、滴る雨漏れ、外は嵐だ。 蜘蛛を踏みつけた。回廊のどこかで、壁を引っ掻くような音がしていた。 昨日、夢を見た。暗い地の底で、血まみれになった壁... 2024.03.03 小説短編小説
詩 ポロニウム 正直言って。 何も話したくない。 何もしたくないし、どこにも行きたくない。 だから黙っている。留まろうとする。 時計の針がいつも同じ速度で廻るなら、僕はそれを耐えるだけだ。 カーテンを締め切って、毛布に潜り込んで、時計の文字盤は虚ろだ。時間... 2024.02.26 詩
日記 2023/11/21〚勉強と現実〛 憂鬱だ。 私は一体、何年も前の事にいつまでとらわれるのだろう。でもそれを手放したらもう私は私ではない。それぐらい私は今目の前のことから隔てられた場所にいる。 目の前のこと。 最近、哲学の勉強に嵌った。 本当はゼミの発表の準備とか、し... 2023.11.22 日記
エッセイ 相談室にて③〈自分の人生って何なんだ〉 カウンセラーの先生曰く、自分の人生を生きなよ、ということになるらしい。 うん。でも自分の人生というのは、一体なんだろう。自分の人生は、結局、自分だけのものではない。切り離せない過去、数多のしがらみ、多くは「関係」によるものだとおもわれるが... 2023.11.20 エッセイ
日記 2023/11/20〚時雨の季節〛 時雨とは、冬の初めに、晴れていたのに急に降りだし、かと思えばやむ雨のことをさす、冬の季語だ。 今日はそんな季節を感じる一日であった。 午前中に、相談室へ行った。その話は別のところで。 学生食堂は、とにかく昼時は混んで、嫌なので、ピーク... 2023.11.20 日記
エッセイ 人生は物語ではない 例えば未来のような何かを夢見て、それがついえた後の苦痛にまみれた日々を私は知っていた。でもそういうやるせない日々に、少しだけ心が穏やかになる瞬間はたしかにあった。 私はそれを、踏みにじるようなことは、できないのだと思う。道端に咲いている小さ... 2023.11.20 エッセイ
エッセイ 相談室にて②〈カウンセラーはどれくらい覚えてくれるのか・忘れるのか〉 カウンセラーはどれくらい覚えている? カウンセラーの先生とお話させていただくようになって、これはネックのような気がしてきた。 カウンセラーという人は、一日に何人もの人の話を聞いていることと思う。そうなってくると、一人一人の話を詳細に記憶... 2023.11.18 エッセイ
エッセイ 相談室にて①〈カウンセラーと話して考えたこと〉 私はこれまで、誰かに何かを、本格的に「相談」するということをしたことがなかった。 大学3年生の9月の終わりごろ。夏休みに心を打ち砕かれた私は、始めて「相談室」とでもいうべき場所に足を踏み入れることにした。 大学の、健康管理に関する施設。そ... 2023.11.18 エッセイ
日記 2023/11/15〚ゆるやか短歌〛 短歌はけっこう、ゆるやかに詠んでる。 よんだ短歌は、まずはこのサイトのHOMEにメモしている。そこは五行なので、五行埋まると、短歌のまとめページに、タイトルをつけて改めて載せる。そして次に新しい短歌を詠むたび、HOMEの短歌を右から上書き... 2023.11.16 日記