日記

2023/11/13〚つめたい今日〛

夢の中ではずいぶん気分が良くて、心が軽くて、窓からは懐かしく穏やかな風が吹いていました。陽射しは暖かく、薄いカーテンが揺れています。 一人ではなかった。家族が居て、そしてこれは夢だと気付いていました。 呼びかけた時、目が覚めました。 見上げ...
日記

2023/11/12〚寒いから、いなくなりたい〛

この前、なんだかとても落ち着かなくて、気晴らしになるかと夜、散歩に出た。  のだけれど、寒くて寒くて。公園で立ち止まって私はぼんやり、この冬を乗り越えられるのだろうかと思った。冬は過酷な季節だ。静かで、冷たくて、凍えるような過酷さ。ひとりぼ...
日記

2023/11/11〚最後に残すものをゆっくり作れば良い〛

かんぺきなものを、作らなきゃいけないような気がしてた。 いや違う……かんぺきなものを、作りたかった。だって、僕のすきなものはどれもかんぺきで、すばらしいものだったから。歩き出す時、それはいつも憧れではないでしょうか。なにかを、憧れずに目指す...
小説

たましいの、るてん

目次 第1話 バッドエンドのその先へ!魂の心縁世界《エーピア》第2話 地獄の底からリスタート!彼女の前世は魔王
短歌

短歌集01

波 半熟の黄身が滴るテーブルに 君がいなくてくずれてる朝 あの窓を割ったのだって君のため全部壊すよだから笑って 隕石のように降るからクレーター 君の形にへこんでく僕 ねぇ呼んで 僕のことなど忘れてもいいけどだけど忘れられない もう君に届かな...
小説

きみはユーレイ

ぼくは死んだら、消えてなくなると思ってた。  だからきみに出会ったとき、本当にびっくりした。きみは、ふわふわ空に浮いてて、しかも半透明で、さわろうとするとすり抜けた。 きみはユーレイなの? って聞いたら、きみは首を傾げて、両手を胸の前にぶら...
エッセイ

なにもかもなくしたあとのほしぞらを涙が濡らす 光になりたい

月並みにも、書くことしかできない、と思っていた。 私にはほかに何もできなかった。人の役に立ったことがなかった。何をしても失敗で、人を傷つけ、迷惑をかけた。他人を不幸にしたことすらあった。 書くことだけが、私のすべてだった。 なのに、それすら...
エッセイ

“妹”の話

僕たちは、実際には一人ではなく、兄妹二人で生きていた。僕は本当に彼女の兄なのだろうかと疑問に思うことは今でもあるが、彼女が僕を兄さんと呼ぶのだからきっと、彼女は僕の妹で、僕は、彼女の兄なのだろう。 妹の事は、誰よりも大切だった。 僕が出会っ...

【鐘の音】

また、目を閉じた。緩やかに死にたくて。 午前二時。 眠るのが怖い。時計塔が鐘をうつ。 時は私たちからあらゆるものを奪っていくから。柔らかな陽だまりや、繋いだ手の温度。笑み。言葉。親しみ。 影は地平線の彼方へ遠く伸びていく。黄昏。 去ってゆく...
エッセイ

呼吸を、言葉を

生きていて、不思議だと思うことがある。 私は、絶望から筆を執ることがある。絶望について語り始め、絶望について語り続ける。それなのに、気がついたらそれはいつの間にか、希望を語る言葉になっている……。 そう言うことはしょっちゅうあった。どんなに...