2024-03

日記

遊んでる場合じゃなかった

2024年3月30日  実家の押し入れに頭を突っ込んで、子供の頃遊んでいたおもちゃを引っ張り出す。すべて残っているわけではないが、一部は今もしまってある。綺麗なままのものもあるし、捨てるのは勿体無いけれど、譲り先もない。 細々したものを集め...
短編小説

エンドロール.クライシス

日の光が浅く、ノウルを焼き殺していくのを見ていた。  陽光が私たちを殺すことは知っていた。でも、ノウルが私のために死ぬなんて、そんな事は知らなかった。 「かえ、す、よ」  ノウルの声は焼けただれていた。長い腕を伸ばして、ノウルは影の中の私に...
日記

押入れの奥に猫

2024年3月29日  なぜそうも、頑張って生きられるのだろう、と思ってしまうことがある。人間は、基本的に、何かと頑張るものだ。頑張るとは、ある意味では苦しむことだと思う。  なぜ、そうも苦しむことができるのか。過去の自分に対しても思う。何...
日記

雨降る街のドグマ[日記]

2024年3月28日  春の夜、雨が降りしきる。季節によって雨の音は違って聞こえる。春の雨は春を纏っている。それはほの暗い。生暖かい泥のような手触り。病的な温度だ。   土地によって、匂いは違っている。雨の降り方も違っている。地元に帰ってく...
エッセイ

無知の知の困難、無知を諦める。

無知の知  かの有名な古代ギリシャの哲学者、ソクラテスの考え方として、最も有名なのは「無知の知」ではないだろうか。 この言葉が基本的に意味するのは、本当に賢い人は自分が無知であることを知っているものだ、という事である。 とてもわかりやすくシ...
エッセイ

サスの下、花が散る

はじめに  高校生の時、演劇部に所属していた。高校には2018年の時に入学し、そこから約2年半、私は演劇をやっていた。今回は、その頃の思い出について、大学4年生になった今、書こうと思う。  役職としては、主に裏方だった。役者も数回はやったが...
日記

貝殻と塩[#240324]

2024年3月24日  海辺を歩く。 帰りの電車に乗り、西日差すまどろみの中で水平線1を眺める。 記事を書こうとキーボードを打つ手が冷たい。自分のアパートに戻ってきた。暖房をつけるかどうか、ためらったまま、指先が冷えていく。 この先のことに...
日記

逃げる、寂しさ[日記#240323]

書くことは、いつまでも続く。今日も、生きていたのと同じようにして。  サイトを作っていると、本当に大事なのは中身(コンテンツ)だと解っているのに、些末なことばかりが気になる。行間とか、フォントとか。デザインを拘るのも楽しいけど、どうせセンス...
日記

雪解けの滴る[日記]

窓の外からは、一昨日降った雪が溶けて、屋根からしたたる水音が聞こえてくる。 昨晩は眠れなくて、寝不足で頭が重く、ぼんやりする。「シーシュポスの神話」を読み進める。昨年、カミュの「ペスト」と「異邦人」を読んだ。偉大な作品を読み通し、自分なりに...
エッセイ

「生きるか死ぬか」は、くだらない問題なのか。

to be or not to be. William Shakespeare「Hamlet」 意味と理由  大学三年生の秋、カウンセラーの先生と、生きる意味や生まれてきた理由について話し合ったことがある。半年ほど前のことだ。 ぼくはその頃...
日記

〚辛抱づよく〛日記:240321

今の自分にとって大切なのは、辛抱づよくいることのように思う。   何かが今すぐに変わると思わないことだ。特に……自分以外のものについて。  何かを望むのなら、それは辛抱強く待つしかない。何かを無理やり変えることはできないし、するべきでもない...
日記

〚なぜならそれも必要だったから〛日記:240320

2023年3月20日  多分、この先もたくさん、苦手で、嫌いで、いやなことをしていかなければならないのだろう。それを避けるために、やっぱり、苦手で、嫌いで、いやなことをしなければならないのだから。  大学四年生になろうとする春なのだから当然...
日記

憂鬱に蓋をする、再生[#240319]

これってなんの意味があるんだろう、っていうようなことを、真剣にやって、苦しい思いをしたりもする。「酔う」とはよくいったものだ。 そういえば昨日眠れなかったのも、珈琲を飲んだせいだったかもしれない。飲んだのはお昼だったが、私はいつのまにかカフ...
日記

〚こんなに遊んでばかり〛日記:240318

こんなに遊んでばかりいていいのかなぁ、と、ぼんやり思いながら、1日中あそんでいる。だって、ほかに、することないし。お金もない。生きてても良いことはない。でも、面倒くさいしさ。  昔よりおとなになった気でいるけど、なんも変わってなくて、楽しい...
短編小説

赤光

一人の男が歩いている。 彼は、人殺しだ。 何人も殺した。その数も、顔も覚えていなかった。家族を殺したし、そうでないものも殺した。彼が歩きながら感じていたのは、息も詰まるような憎しみだった。 「みんな、死んじまえ……」 男は呟きながら歩いた。...
日記

〚EGG〛日記:240317

頭がやけにざわめく。混乱する。感覚が落ち着かない。嵐が吹いている。ただ黙っている。目を閉じている。  あまり自信を持ちすぎないことだ。驕らないことだ。誇らないことだ。  そして進むことだ。それがむずかしい。  ある程度の幻想や過信がないと、...
小説

地下回廊

回廊が、長く暗い回廊が続いている。 地下室への道をぼくは歩いていた。かび臭い通路、生き物の這う気配、滴る雨漏れ、外は嵐だ。 蜘蛛を踏みつけた。回廊のどこかで、壁を引っ掻くような音がしていた。 昨日、夢を見た。暗い地の底で、血まみれになった壁...